FXで、ドル円の値動きはクリスマスはアメリカなど欧米にとって、おおきなイベントです。クリスマス商戦を控えた時期は、欧米の輸入が増えることから、円安に振れやすい傾向があります。この記事では過去のクリスマスのドル円を分析し、Pinescriptでプログラムを組んでTradingViewでバックテストしてみた結果を公開したいと思います。
一般的な理論のクリスマスの値動き
視点は日本ではなく、世界経済の中心であるアメリカに置いて考えます。一般的な書籍や大手取引所のブログでは教科書的な発想では以下のように書かれています。
クリスマス商戦に向けて輸入
アメリカではクリスマスシーズンに向けた買い物客の消費支出が大幅に増加します。そのため小売業者やEC企業などは、日本を含むアジア諸国から大量の商品を輸入します。
クリスマス商戦向けの在庫確保が最優先課題となり、輸入代金のドル決済需要が高まります。
ドル高円安へ
こうしたドルの買い需要増加を背景に、例年クリスマスイブ直前の時期はドル高円安が進行しがちです。アメリカからすると、この時期の円安ドル高の流れは天候不順で農産物価格が高騰するリスクヘッジの意味合いもあります。
クリスマス直後は円高
一方でクリスマス直後は、輸入在庫も十分にそろった状況となることから、ドル買い圧力は一旦後退しがちです。むしろ年末年始の長期休暇シーズンを控えた消費マインドの冷え込みなどから、ドル円が若干円高方向に振れる展開が散見されます。
実際のクリスマスの値動き
FXを長くやってる僕の考えは、書籍などの考えは理想論。リアルな相場(チャート)だけが教科書だと思っています。実際にチャートを見てみると、まるで逆です。
2022/12/20にドル安円高に
5円以上も一気に下がっています。何があったっけ?と考えてしまいました。
驚くべきことに682pipsも動いています。
2021/12/16ドル安円高に
たまたまでしょうと思う方もいると思うので、前年度のチャートも確認してみました。1時間足でみると、結構よく分かります。悪意を感じるチャートの動きですよね。上昇トレンドでロングっぽく見せて、一気に叩き落とす。大口がよくやる手です。
2021年も同様に12月中旬に円高になりました。この年は105pips動きました。
2000年以降のクリスマス前後1週間のドル円相場をみると、上昇局面が43%である一方、ドル安・円高局面が57%を占めていることが分かります。クリスマスまで1週間を切った局面では、むしろドル売り一巡の動きが強まることがチャート上から確認できます。
実際のチャートからわかったこと
チャートをみると、公式どおりにいっていないのがよく分かります。
クリスマス商戦の仕入れは早めに完了する
ドル円の値動きで分かることは、クリスマス商戦向けの仕入れ時期が事実上11月中旬までに終了している可能性があげられます。
アメリカの小売店は失敗のない商戦を期すため、少なくともクリスマスの1ヶ月前にはプレゼント商材の輸入契約と決済を終えておく必要があると言われています。
その意味で12月のドル買い圧力は限定的で、機関投資家が方式を逆手に仕掛けてきていることがわかります。
クリスマス長期休暇前
もう1つは、欧米のクリスマス休暇です。日本人では考えられないくらい長期休暇です。どんなにプロジェクトが忙しくても、問答無用で休みます(過去に一緒に仕事して驚愕しました)。
むしろ年末にかけての長期休暇シーズンを控えた消費マインドの低迷が、ドル売り圧力となりうることです。消費者心理の冷え込みから個人消費が鈍化しがちな時期で、ドル安要因にもなります。
また、同様にして世界の株式市場で利益確定売りが活発化しがちで、ドル売り圧力が高まることも少なくありません。
シンプルなロングは危ない
したがって、クリスマス商戦を意識したシンプルなドル買い予想は注意が必要であり、より大局的な消費動向や世界的な投資センチメントの変化を見極めることが肝要だと考えられます。ドル円相場の実態を見据えた上での予測が不可欠といえます。
クリスマストレードのアルゴリズム案
値動きを見る限りは、トレンド途中で、ドカンと暴落している動きなので、どう見ても逆張り。12月中旬でRSIなど複数のオシレーター系が、売られすぎ買われすぎの状態であれば逆張りするロジックでしょうかね。
アルゴリズム
- 12月11日で判定
- RSIで買われすぎ、売られすぎ判定
- 合致したら逆張りエントリー
- 収束したらクローズ
バックテストの結果
マジっすかという結果になりました。サクッと作ったアルゴリズムでプラスの結果になりました。通貨ペアはドル円、日足、ロットは0.1でテストしたら、プロフィットファクター1.31、勝率50%という結果でした。
直近だけでなく、古い年数からやってこういう結果になったので、まあ間違いない感じでしょうか。
まとめ
クリスマス商戦を意識したシンプルなロングは、超やばいという結果です。それを逆手に取った値動きを、クリスマス1週間前に毎回しかけてくるのは間違いないようです。
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