この記事では、移動平均線乖離率を利用した逆張り戦略の効果を解析しました。Pinescriptでプログラムを組んでみて、移動平均線の乖離率での逆張りトレードがいかに効果的かを明らかにします。びっくりするほど、良い結果になりました。
移動平均線の乖離率とは?
移動平均線の乖離率は、現在の価格が移動平均線からどれだけ離れているかを示す指標です。移動平均線は、一定期間の価格の平均値を表しており、市場のトレンドを平滑化して表示する役割を果たします。乖離率は、この移動平均線と現在の価格との差を計算し、その差を移動平均線の値で割ってパーセンテージで表します。
乖離率は、市場の相対的な価格の位置を示す指標として使用されます。正の乖離率は、現在の価格が移動平均線より上にあることを意味し、市場が上昇トレンドにある可能性が高いことを示唆します。一方、負の乖離率は、現在の価格が移動平均線より下にあることを意味し、市場が下降トレンドにある可能性が高いことを示唆します。
移動平均線の乖離率の逆張り戦略
移動平均線の乖離率を利用することで、市場のトレンドからの逸脱や過度な乖離を観察することができます。
乖離率が一定の閾値(例:5%以上)を超えた場合、市場がトレンドから逸脱している可能性が高く、逆張りのポテンシャルがあると考えられます。この情報を活用して、トレンドの転換点や相場の調整期間を捉えることができます。
pinescriptでの実装とテスト
移動平均線の乖離率の計算は結構簡単です。MAを今の価格で割って、その比率を見るだけです。
//移動平均線
ma = ta.sma(close[0],21)
//移動平均線の乖離率
deviation_MA_ratio = (close[0] - ma) / ma * 100
バックテストの結果
ドル円5分足、移動平均線は21本、乖離率0.3%で逆張りを機械的に行った際のバックテスト結果です。
- 純利益75,800円
- トレード回数23回
- 勝率43.48%
- プロフィッタファクター2.188
- 最大ドローダウン 2.85%
- 平均トレード 3295円
課題
5分足とはいえ、トレード回数が23回と少ないのと、勝率43%なので、もう少し上げてみたい。そこで、オシレーター系と組み合わせてみました。
オシレーター系と組み合わせての検証
単体でもそこそこイケるのがわかったので、オシレーター系と組み合わせて検証してみました。
検証するオシレーター系の指標
検証するオシレーター系はこちらの記事で紹介したものをチョイスしてみました。
パラメーター調整
ドル円5分足で、移動平均線は75本の乖離率0.15%で、オシレーターはCCIと組み合わせると以下のようになりました。
- 純利益 153,700円
- トレード回数61回
- 勝率52.46%
- プロフィッタファクター2.266
- 最大ドローダウン 4.8%
- 平均トレード 2519円
まとめ
プログラムで検証してみた、思った以上に、移動平均線の乖離率の逆張りは使えることがわかりました。
しかも、オシレーター系との相性も、かなり良いです。開発中の逆張りサインインジケーターに盛り込もうと思います。
開発中の逆張りサインインジケーターについて
現在、こんなMT4のサインツールを作ってます。
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