FXの両建ては、同一通貨ペアで買いと売りの両方のポジションを保有するトレード手法です。この両建てを活用することで、年末年始の節税対策として為替差損を計上し、翌年の税負担を軽減することができます。両建ての手法とともに、詳しくまとめてみました。
FXでの両建てについて
FXにおける両建てとは、同一の通貨ペアで買いと売りの両方のポジションを同時に保有するトレード手法のことです。両建てを行う主な理由やメリット、デメリットについて以下に説明します。
年末年始に両建てを行うメリットとは?
相場の方向性に関係なく利益を得られる
両建てを行えば、相場が上昇すれば買いポジションで、下落すれば売りポジションで利益を得ることができます。市況の方向性に左右されずに、相場の変動自体から利益を得ることができるのが大きなメリットです。
損失が限定的
両建てでは利益額に制限はありますが、損失は限定的です。最悪の場合、スプレッド分のコストが発生する程度で、相場変動による大きな損失が生じるリスクは低減できます。
利益の確定がしやすい
一方のポジションを決済することで利益を実現できるため、利益の確定がしやすいのもメリットの1つです。
両建てのデメリット
利益が限定的
大きなトレンドが発生しない限り、両建てでは大きな利益を得ることは難しく、利益はある程度限定的になります。利益よりもリスクヘッジが主目的となるため、用途によっては向かない場合もあります。
コストが2倍
両方のポジションを維持するためには、2倍の証拠金が必要になります。その分、スワップポイントの支払いなど、融資コストの負担が発生します。
日をまたぐ場合は、スワップの支払コストも無視できなくなります。コストも計算に入れておく必要があります。
手数料負担が2倍
両建てでは取引手数料が2倍かかるため、コスト負担が大きくなりがちです。
このように、両建てには一長一短があるため、自分のトレードスタイルや相場環境に合わせて活用することが重要です。例えば、相場の不確実性が高い場面ではリスクを抑えるためのヘッジ手段として有効ですが、トレンド相場では利益を限定してしまう可能性もあるため、注意が必要です。
年末年始に両建ての手法とは
年末年始に両建てをする理由の一つとして、節税対策があると言われています。
年末にリアル経済は活発になり、年始には停滞するため、この時期の為替相場は変動が大きくなります。そのため、年末に買いポジションを取り、年始に売りポジションを取る、という両建てトレードは有効な戦略と考えられています。
また、年末年始は決算のタイミングでもあるため、損益の確定を行う企業が多くなります。その影響で、為替市場ではロールオーバー需給という短期的なドル需要の変動要因が発生します。これに伴う相場の変動も両建てトレードの戦略として利用できるかと思います。
年末年始に両建てでの節税対策
年末年始の両建てトレードをする理由として、節税対策でやってる方も多いとされています。年度末に為替差損を計上して税負担を減らし、年度当初に差損分を取り戻す目的で、年末年始に両建てトレードを行うケースがあります。ドル円で両建てを行えば、どちらかの通貨で差損が発生し、法人税を減らすことができるためです。
やり方
やり方は、とても簡単で、年末に両建てを行い、年末に含み損側を決済し、翌年、年を越えて決済します。含み益は翌年の利益になるという具合です。
租税回避行為にあたる
あまり大規模に、目立ってやらないほうが良いかと思います。明らかなグレー行為だからです。
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