今週からドル円やゴールドの情報をこまめにまとめていこうとおもいます。
ドル円相場は、週前半に地政学リスクや休場によるリスクオフで円高が進みましたが、週後半にはFOMCでのタカ派的な発言をきっかけに一転、ドル高が進行しました。
特に146円目前まで急伸する場面も見られ、市場は米金融政策の見通しと日本の物価動向に敏感に反応しています。ここではその背景を振り返ります。
リスクオフムードで進んだ円買い
ゴールデンウィークの影響で薄商いとなった週明けは、世界的なリスクオフの流れが円買いを後押ししました。
特に中東情勢の緊迫化や台湾ドル高が安全資産である円に資金を集める要因となりました。米国が対中追加関税を示唆したことも、世界経済への不透明感を強め、ドル売りの流れを加速させました。
その結果、ドル円は一時142円台前半まで下落し、警戒感が高まる展開となりました。
FOMCでドルが反発
5月7日に発表された米FOMCでは、政策金利は予想通り据え置かれたものの、パウエルFRB議長が「インフレは依然高く、利下げは時期尚早」と発言したことで、マーケットは“利下げ先送り”と受け取りました。
これにより、米長期金利の上昇とともにドルが買い戻され、ドル円は再び143円台へ反発。その後も買いが続き、チャート上のテクニカル節目144.50円を上抜けたことで、ストップロスを巻き込みながら145円台後半まで急騰する展開となりました。
テクニカルとファンダメンタルズが一致
テクニカル面では、144.50円を明確に超えたことで“円安トレンド回帰”とみる向きも多く、短期筋の買いが勢いづきました。
一方、ファンダメンタルズでは、日銀の追加利上げに慎重な姿勢が維持される一方で、米経済指標(ISM非製造業など)が底堅い内容だったこともあり、金利差拡大期待からドル買いが優勢に。週末にかけては、日本の実質賃金統計(5月10日発表予定)を警戒する動きもありました。
まとめ
今週のドル円は、週初はリスク回避の円買いで142円台まで下落する場面があったものの、FOMC通過後のドル買い戻しとテクニカルブレイクにより、一気に145円台後半まで急反発しました。
週を通して見れば、144.26円 → 145.89円 と約1.6%のドル高・円安。来週は日本の賃金統計や米CPI(消費者物価指数)が控えており、日米金利政策の見通しに影響を与える可能性があります。
今回のエビデンス
今回の記事のエビデンスは以下のニュースを参考にしました。
- https://www.reuters.com/business/fed-likely-leave-rates-unchanged-it-hunts-clarity-economy-2025-05-07/
- https://www.reuters.com/markets/global-markets-global-markets-2025-05-05/
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